銅・アルミの接合技術がどうして必要なのか
アルミ電線から従来の銅端⼦にそのまま接続すると、以下の理由により異常発熱の恐れがあります。
①電位差によって電⾷が起こる
②物性差異によって接触圧⼒の低下や接合部の緩みが⽣じる
③電流容量の差によって発熱する
そのため、同じ硬さと膨張率の材料、伝導率を考慮した厚みが設計されている
信頼性の⾼い接合⽅法が求められます。
暮らしをまもり、未来へつなぐ
冨⼠端⼦⼯業FSW技術紹介サイト
エネルギー社会に対するアルミの社会実装に向けての新技術開発
電気接続においてアルミ導体が普及するにつれて、アルミ導体と銅導体との接合が必須となります。⼩型化が進むにつれて、銅・アルミの接合技術は困難になります。銅、アルミ接合技術を確⽴し、銅・アルミ変換機器を提供することで、電気配線においてアルミ化の普及を推し進めるのを⽬的としています。
従来
送電線を除いて、ほとんどの電線が銅導体のケーブルを使⽤していました。
現在
配電線の⼀部がアルミ線に変わりつつあり、その端末処理に我が社のアルミ製圧着端⼦が採⽤されています。
今後(我々が目指す先)
機器の⼩型化にともない、あらゆる銅とアルミの電気的接続にも貢献します。
アルミ電線から従来の銅端⼦にそのまま接続すると、以下の理由により異常発熱の恐れがあります。
①電位差によって電⾷が起こる
②物性差異によって接触圧⼒の低下や接合部の緩みが⽣じる
③電流容量の差によって発熱する
そのため、同じ硬さと膨張率の材料、伝導率を考慮した厚みが設計されている
信頼性の⾼い接合⽅法が求められます。
誤ったつなぎ方
正しいつなぎ方
アルミの社会実装化にむけて、アルミ・銅の⾰新的な接合技術が必須条件となります。アルミ・銅の接合技術には数多くの類似技術があり、冨⼠端⼦⼯業では、FSWを採⽤しました。
従来の溶融溶接法
接合部の強度が低い
接合後の変形が大きく起こりやすい
欠陥・割れ・歪みが多い
接合前処理が必要
異種金属接合が比較的困難
高価格
FSW
接合部の強度が高い
接合後の変形が小さい
欠陥・割れ・歪みが発生しにくい
接合前処理が原則不要
異種金属接合が比較的容易
低価格
我々は上記理由によりFSWを採⽤しました
摩擦攪拌接合、通称FSW(Friction Stir Welding)は固相接合(⾦属を融点以下で接合する技術)の⼀つで、突起物を有する回転ツールを接合部に押しつけ、塑性流動を起こさせて接合する技術です。部材の融解を伴わないので、合⾦層が形成されず、元の素材の組成・特性がそのまま維持されたまま接合できるという特徴があります。産業界では、これまで航空機エンジンのチタンブレード成形、アルミ製鉄道⾞両の構造体接合等に使⽤されててきました。⾞の軽量化技術の⼀つとして着⽬されています。
摩擦撹拌接合(FSW)のイメージ
開発当初は、従来のFSW技術で試験を⾏いましたが、電気的な特性を満⾜できないことが多くありました。そこで銅とアルミの接合⾯の課題を解決するため、独⾃で⾮混合FSW技術「FUJI・FSW」を開発しました。
従来のFSW
アルミと銅が混合される
Cuの変形、分散、空隙の残存
非混合FSW(特許出願中)
混合を抑制
Cuの変形、分散低減、空隙なし
溶接とは異なり溶融させることなく固体のまま接合できるので結晶粗⼤化が起こらず機械的強度に優れます。破断試験を⾏ってもアルミ⺟材で破断し、接合部の強度が優れていることがわかります。
破断試験の結果
アルミ母材で破断
接合界面に暑さ1μm未満の
金属間化合物相がフィルム状に生成
⼀般的なバスバーの接合から厚み0.5mmほどの⾮常に薄い銅・アルミ接合が将来的に実現可能であり、多種多様の機器に実装することを⽬指します。
銅・アルミ圧着端⼦を製造可能
バスバーにも応⽤できます
薄物製品も可能になります
次世代リチウムイオンへの対応を
⽬指しています
アルミの⼩型化が実現可能に!
今はまだ研究段階ですが、社会の変⾰を及ぼすような⼤きな第⼀歩を踏み出しました。
FSW製品や技術については下記よりお問い合わせください
公的資金を用いた研究活動に関する受付窓口は下記よりご覧ください